成形加工部品などの精密部品向け洗浄機
成形加工部品の製造工程で求められる精密部品洗浄機とは？
複雑な形状や異なる素材の部品を洗浄する必要あり
成形加工部品は、専用設計によるオリジナルパーツを同一品質で大量生産することを目的とします。
成形加工の方法にはプレス用・鍛造用・鋳造用・ダイカスト用といった種別があり、金属だけでなくプラスチックやゴム、ガラスといった素材の加工が可能。
従って、精密部品洗浄機は複雑な形状や異なる素材の部品を柔軟かつハイレベルで洗浄できる機種が必要です。
成形加工部品の製造工程で除去すべき対象物とは？
プレス部品、鍛造部品、鋳造部品、ゴム部品、樹脂部品などの成形加工部品の製造工程で、洗浄機で除去すべき主な対象物は以下の通りです。
- パーティクル（塵）
- 金属（切粉など）
- 有機物
- 油脂
パーティクル（塵）
様々な素材を使った部品成形に利用されますが、パーティクルの付着で特に注意したいのがプラスチック製品です。射出成形する際、ワークの表面が摩擦によって帯電すると、パーティクル（塵）が付着しやすくなります。
金属（切粉など）
プレス部品、鍛造部品、鋳造部品などの成形加工部品は、成形加工時に金属粉が多く付着します。
いずれも幅広く精密部品に採用されている分、成形加工時に発生する金属粉はしっかりと除去する必要があります。
有機物
製造現場には多くの有機物が浮遊しています。工場内で使うさまざまな薬液に有機物が含まれていることもありますし、現場スタッフのフケやアカなども有機物に含まれます。
油脂
金型による部品成形では、グリスやワックス、切削油などを使うケースがあり、ワークの油汚れの原因となることもあるほど。
射出成形金型を例にとると、金型の温度が上がるとグリスが液状となり、金型の隙間からワークに付着するといったことも起き得るので要注意です。
成形加工部品の製造工程で求められる洗浄力
成形加工部品の精度を安定させるためにも高い洗浄力が必要
電子機器や自動車関連、医療関連など精密部品が求められる分野では、1つ1つの部品にもより高い精度が要求され、製造工程はシビアに管理されるもの。
加えて、成形加工部品は加工方法や素材もバリエーションが豊富な分、成形加工の精度を安定させるためにも、優れた洗浄力で品質を高める必要があります。
成形加工部品の製造工程に用いられる精密部品洗浄機
ドラム式洗浄機
ドラム式の精密部品洗浄機は、回転するドラム内でワークを洗浄するのですが、水を注いで回転させるという単純構造ではなく、一度の回転中にシャワー洗浄と浸漬・揺動洗浄、流水洗浄と3つの異なる方法により高い洗浄力を発揮する機種もあります。
パイプ状など複雑な形のワークも洗浄しやすく、水だけで十分に洗浄できる洗浄機はゴム製品にも対応できます。
ドラム式精密部品洗浄機の一例
引用元：株式会社平出精密公式ホームページ
https://www.hiraide.co.jp/vortenryu/
コンベア式洗浄機
コンベアでワークを搬送させながら、複数の工程で洗浄・水切り・乾燥を行うのがコンベア式洗浄機。洗浄ノズルやワークを回転させることで、複雑な形状のワークの洗浄力を高めます。
コンベア式でもネットコンベアでワークを連続処理する機種もあれば、コンベアに治具を設置してピッチ搬送により順次洗浄工程を進めていく機種もあります。
コンベア式精密部品洗浄機の一例
引用元：高橋金属公式HP（https://www.takahasi-k.co.jp/eco/electrolytic-ion/conveyor/）
バッチ式洗浄機
バッチ式と呼ばれる洗浄機は、1槽のタンクの中でワークのスプレー洗浄と水切りを行います。
バッチ式洗浄機1台で必要十分な洗浄をするのではなく、複数の製造工程の途中で簡易洗浄をするといった使い方が向いています。装置が比較的安価で、設置スペースをコンパクトにできるといった優位性があります。
バッチ式精密部品洗浄機の一例
引用元：有光工業株式会社
http://www.arimitsu.co.jp/sanki/01/01/index.html
