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アルコール系洗浄剤の特徴と部品洗浄への活用

アルコール系洗浄剤の特徴とは?

アルコール系洗浄剤は、主にエタノールやイソプロピルアルコール(IPA)を成分とする洗浄剤で、精密部品洗浄の分野で幅広く使用されています。ここでは、その具体的な特徴を解説します。

浸透性に優れている

アルコール系洗浄剤は、微細な部品の隙間や凹凸部分にも浸透しやすい性質を持っています。このため、洗浄が難しい複雑な形状の部品にも対応可能です。特に精密機器や電子部品の洗浄に適しており、高い清浄度を実現できます。

乾燥性が高い

揮発性が高いため、洗浄後の乾燥が速い点も特徴の一つです。洗浄後に残留液がほとんど残らないため、作業の効率化につながります。この特性は、生産ラインでのスピードを求められる工程において特に重要です。

毒性が低く安全性が高い

エタノールやIPAなどの主成分は比較的毒性が低く、適切な環境下で使用すれば人体や環境への影響が少ないとされています。ただし、吸入や肌への長時間の接触は避ける必要があるため、使用時には十分な換気や保護具の着用が推奨されます。

可燃性がある

アルコール系洗浄剤の注意点として、引火点が低く可燃性がある点が挙げられます。火気厳禁の環境で使用し、保管には防火対策が必須です。

油分溶解力は控えめ

アルコール系洗浄剤は軽度の汚れや水溶性の汚染物質の除去には効果的ですが、重度の油汚れに対しては溶解力がやや弱いことがあります。そのため、洗浄対象や汚れの種類に応じて他の洗浄剤と併用することも検討されます。

アルコール系洗浄剤のメリット

アルコール系洗浄剤は、精密部品の洗浄においてさまざまな利点を持っています。ここでは、具体的なメリットを解説します。

浸透性が高い

アルコール系洗浄剤は、微細な部品の隙間や複雑な形状にもスムーズに浸透する特徴を持っています。そのため、通常の洗浄では取り除きにくい汚れや付着物にも効果を発揮します。特に精密機器や電子部品のように、細部まで清潔さが求められる場面でその効果が顕著です。

乾燥が速い

揮発性が高いアルコール系洗浄剤は、洗浄後の乾燥時間が短縮できる点も魅力です。洗浄剤が速やかに蒸発するため、部品表面に液体が残りにくく、後工程をスムーズに進めることができます。この特性は、生産ラインでの効率化に大いに役立ちます。

毒性が低い

一般的なアルコール系洗浄剤の主成分であるエタノールやイソプロピルアルコール(IPA)は、比較的毒性が低いとされています。そのため、適切な環境下で使用する限り、安全性が高い洗浄剤といえます。ただし、長時間の吸入や肌への接触は避けることが推奨されます。

金属への腐食性が低い

アルコール系洗浄剤は、金属製品や精密部品に対して腐食や酸化のリスクが少ない点も大きなメリットです。このため、金属部品の洗浄でも安心して使用することができます。

アルコール系洗浄剤のデメリット

アルコール系洗浄剤は多くの利点を持つ一方で、注意すべきデメリットも存在します。ここでは、その具体的な課題について解説します。

引火性が高い

アルコール系洗浄剤の主成分であるエタノールやイソプロピルアルコール(IPA)は、引火点が低く非常に燃えやすい性質があります。このため、取り扱い時には火気厳禁の環境を徹底する必要があります。また、保管場所も換気の良い冷暗所を選び、防火対策を十分に講じることが重要です。

油汚れに対する洗浄力が限定的

アルコール系洗浄剤は、水溶性の汚れや軽い油分の除去には適していますが、重度の油汚れやグリースの溶解には効果が限定的です。そのため、これらの頑固な汚れを対象とする場合は、専用の溶剤やアルカリ系洗浄剤との併用が必要になる場合があります。

コストが高い場合がある

アルコール系洗浄剤は高い純度が求められることが多く、その分コストが高くなることがあります。特に大量使用を前提とした現場では、ランニングコストに注意が必要です。

揮発性による換気対策が必要

アルコール系洗浄剤は揮発性が高いことで乾燥が速いというメリットがありますが、その分蒸気が空気中に充満しやすいという側面もあります。これにより、作業環境によっては十分な換気が求められる場合があります。特に密閉された空間では、作業者の健康への影響を防ぐための適切な換気設備が欠かせません。

アルコール系洗浄剤での具体的な使用例

アルコール系洗浄剤は、その特性を活かしてさまざまな分野で使用されています。以下に、具体的な使用例をいくつか挙げて解説します。

精密電子部品の洗浄

電子部品は、基盤や半導体、コネクタなどの細かい構造を持つため、高い浸透性を持つアルコール系洗浄剤が有効です。

特に、製造過程で付着した微細な汚れやフラックス(はんだ付け後の残渣)を効率的に除去するために使用されます。また、速乾性に優れるため、部品の水分残留を防ぎ、製品品質を維持することが可能です。

医療器具や理化学機器の清掃

アルコール系洗浄剤は、医療器具や実験装置などの清掃にも広く使用されます。これらの機器は、高い衛生基準が求められるため、アルコールの除菌作用が重要な役割を果たします。また、金属やガラス素材に対して腐食のリスクが低いため、安全に使用できます。

光学機器のメンテナンス

カメラレンズや顕微鏡などの光学機器は、汚れや指紋がつくと精度や性能に影響を与えます。アルコール系洗浄剤は、その揮発性と適度な溶解力により、光学機器の表面を傷つけることなくクリーニングするのに適しています。

化粧品や食品製造装置の洗浄

食品や化粧品の製造装置は、衛生的な環境を維持するために頻繁な洗浄が必要です。アルコール系洗浄剤は、食品や化粧品に影響を与えない安全性があるため、製造ラインの洗浄に利用されています。

自動車部品の洗浄

自動車部品の中でも、特に電子系のセンサーや精密な加工部品はアルコール系洗浄剤で洗浄されることがあります。速乾性が求められる工程や、油分の軽微な除去が必要な場合に使用されることが多いです。

洗浄装置とシステムの選び方

アルコール系洗浄剤を最大限に活用するには、適切な洗浄装置やシステムの選定が重要です。以下に、選び方のポイントを解説します。

対象物に適した装置を選ぶ

洗浄対象物の形状、材質、汚れの種類を考慮して装置を選定することが必要です。たとえば、微細な部品の隙間までしっかりと洗浄したい場合は、超音波洗浄装置が効果的です。一方、大型部品やシンプルな形状の場合は、スプレー式や浸漬型の装置が適しています。

洗浄プロセスの自動化の有無を検討する

生産ラインの効率化を重視する場合、洗浄プロセスを自動化できるシステムを導入するとよいでしょう。自動搬送機能付きの装置や多工程を連続的に処理できるシステムは、大量生産時に特に有効です。

揮発性対策のある装置を選ぶ

アルコール系洗浄剤の揮発性を考慮し、適切な換気装置や密閉システムを備えた装置を選ぶことが安全性確保のポイントです。密閉型の洗浄装置は、作業環境の改善や洗浄剤のロスを最小限に抑えるのに役立ちます。

ランニングコストを見極める

洗浄装置の選定時には、初期投資だけでなくランニングコストも重要な検討材料です。洗浄剤の消費量、エネルギーコスト、メンテナンス頻度などを含めたトータルコストを考慮しましょう。

メーカーのサポート体制を確認する

装置導入後の運用で重要になるのが、メーカーのサポート体制です。トラブル発生時の迅速な対応や、メンテナンスサービスが充実しているメーカーを選ぶことで、安定した運用が可能になります。

アルコール系洗浄剤で高効率な洗浄を

アルコール系洗浄剤は、速乾性や浸透力が求められる精密部品洗浄に最適な選択肢です。しかし、引火性や油汚れへの対応力の限界など、課題も伴います。これらを踏まえ、用途に適した洗浄装置やシステムを導入し、安全対策を徹底することが成功の鍵です。メリットを最大限に活用し、効率的で高品質な洗浄を目指しましょう。

自動車・半導体・医療機器
特殊な素材や形に適した洗浄ができる
精密部品洗浄機3選

▼左右にスクロールできます▼

自動車部品の洗浄なら
金属脱脂に対応した洗浄機

VORTENRYU
(平出精密)

VORTENRYUインラインスパイラル洗浄機

引用元:平出精密公式HP(https://www.hiraide.co.jp/vortenryu/index.html)

半導体部品の洗浄なら
フラックス残渣に対応した洗浄機

電子基板用自動5槽式超音波洗浄装置
(北村製作所)

電子基板用自動5槽式超音波洗浄装置

引用元:北村製作所公式HP(https://www.kitamurass.co.jp/seihin/sangyosenjosochi/choompasenjoki/automatic_fivetanktype_cleanmachine/)

医療機器部品の洗浄なら
衛生面に優れた洗浄機

揺動2槽式超音波+シャワー洗浄装置
(日本アレックス)

揺動2槽式超音波+シャワー洗浄装置

引用元:日本アレックス公式HP(https://www.nalex.co.jp/products/cleaner/apparatus/usandshower/)

特徴
  • 自動車金属部品の脱脂洗浄の実績が多数
  • 洗浄スピード「1個/約2秒」前工程の洗浄にも対応できる
  • 5槽の超音波洗浄を経て、フラックス残渣を徹底除去
  • 準水系、水溶系、フッ素系といった洗浄剤を組み合わせ、様々な半導体部品の条件に対応が可能
  • 超音波洗浄、シャワー洗浄の二段階洗浄
  • ポンプ/フィルターにより常時液循環でクリーンな槽内を維持
対象の
部品サイズ
  • 5㎜x5㎜~90㎜x90㎜

記載なし

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対象部品
  • プレス部品
  • 鍛造部品
  • 切削部品

記載なし

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使用する洗浄剤
  • 水(洗浄剤不要)
  • 準水系洗浄剤
  • 水溶性洗浄剤
  • フッ素系溶剤

記載なし

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