「乳化」とは、油と水など2種類の混ざりにくい液体を混ぜ合わせることをいいます。例えば水と油を例にとって考えてみましょう。本来は水と油は混ざり合わないため、ビンに水と油を一緒に入れて振ったとしても、すぐに2つの層に分離してしまいます。この時の水と油の境目は「界面」と呼ばれ、この界面に作用して性質を変える物質を界面活性剤と呼びます。界面活性剤の働きにはさまざまなものがありますが、その中でも乳化を目的として使用されるものが「乳化剤」と呼ばれています。
乳化洗浄剤とは、この乳化の仕組みを活用して油汚れの除去などを目的として用いられている洗浄剤であり、幅広い分野で用いられています。自動車部品などの洗浄でも、グリスや油汚れなどを分解・除去する目的などで使用されています。
乳化洗浄剤を使用すると油分を乳化させられるので、汚れを効果的に除去できます。特に、油性の汚れやワックスなどを除去する際に威力を発揮します。このような性質から、自動車業界や製造業界など、油による汚れが発生しやすい環境などで用いられるケースが多い洗浄方法です。
また、入り組んだ場所に付いてしまった汚れなども除去しやすい洗浄方法です。
洗浄を行う際、主に油分が乳化することによって汚れが水中に分散されるので、一度除去を行った汚れが元に戻ることを防止できます。さらに親水性が高いので容易にすすぐことができ、洗浄後の残留物も少ない洗浄方法です。
乳化洗浄剤として提供されている製品の中には、環境に配慮しながら製造されているものも多くあります。このような乳化洗浄剤を使用する場合、環境への負荷を抑えながら洗浄を行うことができます。
大型自動車や小型自動車、重機車両、船舶に搭載されているラジエーター内に油が混入した際、その油の処理剤として使用されている例があります。
例えば、エンジンヘッドの抜けやガスケットの油漏れが発生した場合、またエンジンブロックの破損などさまざまな原因によって油もれが発生し、ラジエーター内に油が入ってしまった場合などに対応ができます。乳化洗浄剤が持つ優れた洗浄力によって、ラジエーター本体を傷めることなく洗浄できます。取り付けた状態で洗浄剤を使用することができます。
油性洗剤の溶解力に加えて、水性洗剤の分解力を持っているので、さまざまな金属パーツに固着してしまったグリスやオイルなどの脱脂洗浄を行う際にも乳化洗浄剤を活用できます。例えばチェーンやベアリング、ギアーなど、さまざまな部品における脱脂洗浄に利用できます。固着してしまったグリスやオイルなどを素早く溶解して除去できます。
乳化洗浄は、洗浄剤を購入するためのコストが発生します。乳化洗浄剤に分類される製品にはさまざまな製品がありますが、導入する洗浄剤や状況によっては購入にかかる費用がデメリットに感じることもあるかもしれません。
乳化洗浄剤に分類される洗浄剤にはさまざまなものがありますが、中には「火気厳禁」や「冷暗所に保管する」、「使用時は眼鏡・マスク・手袋等の保護具を着用し、高濃度の蒸気を長時間吸引しないように注意する」といったように、取り扱いや保管の際に注意すべき点が挙げられているものもあります。導入にあたってはカタログやメーカーのホームページを参照し、該当するの洗浄剤を使用・保管する上での注意点を十分に確認した上で使用する必要があります。
精密部品洗浄機の中には洗浄剤を使うことなく、水だけで高い洗浄力を発揮する機種があります。
シャワー洗浄、浸漬・揺動洗浄、流水洗浄を同時処理できるドラム式精密部品洗浄機なら、水だけで洗浄できるため環境負荷が少なく、洗浄液にかかるコストが抑えられる点が乳化洗浄に比べ優れています。
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自動車部品の洗浄なら
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半導体部品の洗浄なら
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医療機器部品の洗浄なら
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使用する洗浄剤 |
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