プレス部品の洗浄について
プレス工程において、歩留まりを維持していくためにはプレス部品のメンテナンスが不可欠です。今回の記事ではプレス部品を洗浄する重要性や洗浄機器についてご紹介していきます。
プレス機の洗浄の重要性
ぷうレス機の中でも重要な部品が金型です。金型の寿命を伸ばして、常に歩留まりを一定にするためには、金型のメンテナンスとオーバーホールが不可欠になります。この作業を怠ってしまうと、毎日のメンテナンスでは取り除けなかった汚れが蓄積したり、成形材料から発生するガスによって金型が変形してしまったりすることもあります。そのような場合は金型の分解洗浄や消耗品の取り換えなどの作業が必要になりますので、コストや手間がかかってしまいます。
プレス機の洗浄不良による問題
絞り傷
プレス機の絞り加工で一般的な不良は傷不良です。絞りダイスのR部から壁面に傷や焼き付きが生じます。金型製作時には表面の研磨や適切なプレス加工油の選定で傷を防ぐ工夫がなされていますが、粉塵の侵入や加工油の不足などが原因で油膜切れが生じ、縦キズが発生する。この現象を放置すると、傷は深くなり、品質に悪影響を及ぼす可能性があります。この不良を予防するには、金型のメンテナンス・管理を徹底して、品質管理を強化することが必要です。
カス上がり
絞抜き加工後、スクラップがパンチに付着する「カス上がり」という現象が問題となある場合があります。この現象により、製品に打痕や傷が発生することがあるからです。原因としては真空圧や油膜、磁気により発生し、金型損傷が起こることもあります。対策としては、パンチに「キックピン（キッカーピン）」を搭載し、スクラップとパンチの間に物理的な隙間を設けるなどがあります。金型のメンテナンスも重要です。
プレス部品に対応し、環境にも配慮された洗浄機を紹介
「精密部品洗浄機」でGoogle検索をして表示された42社（2022年11月7日調査時点）の精密部品洗浄機取り扱い企業のうち、
本体サイズの記載がある商品で洗浄の際に溶剤を使用せず、ゴム部品に対応している2社を選出しました。
VORTENRYU(株式会社平出精密)
引用元：平出精密公式HP
（https://www.hiraide.co.jp/vortenryu/index.html）
特許を取得した洗浄技術「トリプルウォッシュ」（回転ドラム式ワーク洗浄装置※）により、水だけで優れた洗浄力を実現。
水だけで脱脂洗浄が可能なため、洗浄剤は不要。規制の対象となる有機溶剤などと比べ、排水処理を簡素化でき、排水にかかるコストも低減できます。洗浄剤の費用がかからないため、
洗浄工程にかかるランニングコストの削減にも寄与します。
プレス部品や切削・鍛造部品などの加工油の脱脂洗浄に適しているほか、ゴム部品の離型剤の洗浄やコンタミ除去にも向いています。
ネットコンベヤ式洗浄装置（高橋金属株式会社）
引用元：高橋金属公式HP
（https://www.takahasi-k.co.jp/eco/electrolytic-ion/conveyor/）
電解イオン水（アルカリ性電解水や酸性イオン水）を洗浄液に採用しています。
スプレー圧0.2～0.4MPa程度の高圧スプレーを用いることで脱脂や切粉の除去を可能にしています。洗浄ノズルは扇形や充円錐、直射タイプなどさまざまな形状を用意しており、対象ワークや用途に合わせて使い分けることが可能です。
適切な金型メンテナンスが不良を減らす
ご紹介してきたように、プレス加工において、部品のメンテンナンスは非常に重要です。金型の不具合は不良の発生を増やすだけではなく、金型自体の破損にもつながることがあります。適切な時期や間隔でメンテナンスをおこなうようにしましょう。
こちらのサイトでは、精密部品洗浄機の選び方についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
