ゴム製品は汚れがつきやすく、コンタミの発生原因となることがあります。コンタミが発生すると、生産性や製品の品質低下につながるおそれもあります。そこで重要なのがゴムの洗浄ですが、正しく洗浄を行うためにはそれぞれのゴムの特性を知っておく必要があります。こちらの記事では、ゴム製品のコンタミについて、またそれぞれのゴムが持つ特性や対応可能なオススメ会社についてまとめました。
工業用ゴム製品には多彩な種類があり、さまざまな用途に使用されています。
例えば、「Oリング」と呼ばれる製品は建設機械や一般産業機械、化粧品、医療周辺機器などに使用されます。また、「カーボンマスターバッチ(CMB)」はゴムにカーボンを混合して加工したゴム練り生地を指します。
そのほか、高品質で経済性に定評がありレジャー用品など幅広い分野で使用されている「ネオロン/レストン」、独自の溝構造を採用している防振ゴム製品「防振パッド」など多彩な種類があります。
ゴム製品はさまざまな用途に使用される一方、汚れがつきやすいという性質を持っています。これは、シリコンゴムは帯電性があることからゴミや埃がつきやすいといった特性があるためです。この特性により付着したゴミやホコリがコンタミを発生させるのです。
また、ゴム部品に匂いが移り込む事によって次に製造する製品に影響を与えるといったケースもあります。この匂いを取るために強い洗浄剤などを使用した場合には、ゴム製品が劣化してしまったことで更なるコンタミ問題が発生するといったことも考えられます。
「コンタミ」とは「コンタミネーション(contamination)」の略。意図しない混入や汚染を意味する言葉であり、マイナスイメージが伴う言葉となっています。
コンタミが発生した場合には、下記のような問題が考えられます。
コンタミが発生する場合、下記のような原因が想定されます。
コンタミが発生した場合には、生産性や品質の低下を招いてしまいます。
例えば油や溶剤、ガソリンも劣化を促進させる要素となります。これは、油や溶剤にゴムが長時間触れている場合、膨潤する性質があるためです。そのため油や溶剤、ガソリンが付着したゴム製品を洗浄しないまま使用していると、ゴム製品の性能を発揮できなくなることで生産性が低下してしまったり、出来上がった製品の質が落ちてしまうといった状況が発生するおそれがあります。
生産性や品質の低下を招かないためにもゴムを洗浄することは重要ですが、ゴムにはさまざまな材質が使用されています。材質によっては耐性が低い洗浄液もあることから、ゴムの種類と特性を知った上でそれぞれに合った洗浄を行うことが求められます。
種類 (略号) |
特性 | 用途例 | 耐オゾン性 |
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天然ゴム (NR) | ゴムの木の樹液から生成されているゴム。一般的に機械的強度、反発弾性に優れているという特性を持つ反面、耐油性や耐候性、対オゾン性に劣るといった点も特徴 | タイヤ、ゴムベルト、ホース、履物 など | △ |
スチレンブタジエンゴム (SBR) | 天然ゴムの代用として開発されたゴム。最も多く生産されているゴムの種類であり、弾性や強度特性、耐摩耗性などに優れる。その反面、耐油性や耐寒性に劣るといった面もある | 自動車タイヤ、履物、ゴム引布、運動用品、床タイル、バッテリーケース、ベルト など | △ |
クロロブレンゴム (CR) | 二次加工がしやすいことからさまざまな用途に使用されているゴム。耐反発性や耐候性、耐老化性、耐熱性、耐寒性、耐油性などに優れるが、耐水性と電気絶縁性が劣るという特性がある | Oリング、コンベヤベルト、ロール、ウエットスーツ、電線被覆 など | ○ |
アクリロニトリルゴム (NBR) | 耐油性に非常に優れているゴム。アクリロニトリルの含有量を調整する事によって耐油性や耐摩耗性などの調整が可能。その反面、反発弾性や耐寒性などが劣るといった点が特徴 | オイルホース、手袋、食品用前掛け、自動車部品関連のパッキン など | △ |
ブチルゴム (IIR) | 耐オゾン性や耐候性、耐ガス透過性、電気絶縁、極性溶剤に優れるなどの特性をもっている反面、耐油性、金属・他のゴムに対する接着性が劣るといった面もある | タイヤチューブ、人工芝のアンダーパット、ルーフィング、窓枠ゴム など | ○ |
エチレンプロピレンゴム (EPDM) | 市販ゴムの中で最も比重が小さいゴム。耐オゾン性と耐候性に優れている事に加え、耐熱老化性も良い点、極性溶剤に対する耐性を持つ。その反面耐油性、金属・他のゴムとの接着性に劣る | 自動車用部品、窓枠ゴム、スチームホース、電線被覆、コンベヤベルト など | ◎ |
ウレタンゴム (U) | 特に機械的な強度が優れている点が特徴。また、耐油性や耐摩耗性についても非常に優れているが、耐水性や耐薬品性、高温性が劣るといった特性も持っている | ロール、タイヤ、ベルト、ホース、シール材、靴底 など | ◎ |
シリコーンゴム (Si) | 耐熱性が非常に優れているゴム。また、耐寒性と耐オゾン性、非粘着性にも優れているが、力学的性質やガス透過性、熱膨張性に劣るといった面もある | キーパット、ダイヤフラム、食品容器のパッキン、マウスピース など | ◎ |
フッ素ゴム (FKM) | 耐化学薬品性や耐溶剤性、耐老化性、耐寒性に優れるといった特性があるものの、ケトンやエステル、アミン系、有機酸の薬性に対する耐性は劣る | 化学工場の耐食パッキン、ガスケット、ダイヤフラム など | ◎ |
クロロスルホン化ポリエチレンゴム (CSM) | ハイパロンという商品名で知られる合成ゴム。耐オゾン性や老化性、耐候性、耐薬品性などに優れているが、圧縮低温で結晶化しやすいといった特性を持っている | 塗料、タンクライニング、屋外用引布、耐食性パッキン など | ◎ |
種類(略号) | ガソリン・軽油 | ベンゼン・トルエン | アルコール | エーテル | 酢酸エチル | 水 | 有機酸 | 高濃度無機酸 | 低い濃度無機酸 | 高濃度アルカリ | 低濃度アルカリ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
天然ゴム (NR) | × | × | ◎ | × | ×〜△ | ◎ | × | △ | ○ | ○ | ○ |
スチレンブタジエンゴム (SBR) | × | × | ◎ | × | ×〜△ | ◎ | × | △ | ○ | ○ | ○ |
クロロブレンゴム (CR) | ○ | × | ◎ | ×〜△ | × | ◎ | ×〜△ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
アクリロニトリルゴム (NBR) | ◎ | △〜× | ◎ | ×〜△ | ×〜△ | ◎ | ×〜△ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ブチルゴム (IIR) | × | △ | ◎ | △〜○ | ◎ | ◎ | △〜○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
エチレンプロピレンゴム (EPDM) | × | △ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | × | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
ウレタンゴム (U) | ◎ | △〜× | △ | × | △ | △ | × | × | △ | × | × |
シリコーンゴム (Si) | △〜× | △〜× | ◎ | ×〜△ | △〜◎ | ○ | ○ | △ | ○ | ◎ | ◎ |
フッ素ゴム (FKM) | ◎ | ◎ | ◎ | ×〜△ | × | ◎ | × | ◎ | ◎ | × | △ |
クロロスルホン化ポリエチレンゴム (CSM) | △ | △〜× | ◎ | × | × | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
「精密部品洗浄機」でGoogle検索をして表示された42社(2022年11月7日調査時点)の精密部品洗浄機取り扱い企業のうち、
本体サイズの記載がある商品で洗浄の際に溶剤を使用せず、ゴム部品に対応している2社を選出しました。
特許を取得した洗浄技術「トリプルウォッシュ」(回転ドラム式ワーク洗浄装置※)により、水だけで優れた洗浄力を実現。
水だけで脱脂洗浄が可能なため、洗浄剤は不要。規制の対象となる有機溶剤などと比べ、排水処理を簡素化でき、排水にかかるコストも低減できます。洗浄剤の費用がかからないため、
洗浄工程にかかるランニングコストの削減にも寄与します。
プレス部品や切削・鍛造部品などの加工油の脱脂洗浄に適しているほか、ゴム部品の離型剤の洗浄やコンタミ除去にも向いています。
3・4・5段階の洗浄~乾燥が可能なインデックス型洗浄のため、ワークに合わせて洗浄方法を選ぶことができます。
ワークの搬出入は手動と自動の両方に対応しています。
ロボットアームなどを組み込むことで、搬出入を自動化し、製造ラインに組み込むことも可能。作業スタッフの負担を減らし、生産性を向上させることができます。
こちらのページでは各種ゴム製品の特性をご紹介してきました。コンタミが発生し生産性や品質の低下を引き起こさないためにも、それぞれのゴムが持っている特性などを把握し、適切な方法で洗浄を行うことが非常に重要といえるでしょう。
こちらのサイトでは、精密部品洗浄機の選び方についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
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特徴 |
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対象の 部品サイズ |
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記載なし |
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対象部品 |
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記載なし |
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使用する洗浄剤 |
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記載なし |